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創業計画書について①創業計画書とは、その書き方について




創業するために情報収集をすれば、必ずといっていいほどの確率で「創業計画書」という言葉を耳にするでしょう。

本来は創業をどのようにおこなうかを明確にする書類のことですが、現在一般的には金融機関に創業に関連する融資を申し込む際の添付資料と捉えられています。

融資を受ける金融機関の多くが記入例を用意していますが、内容は簡単な記述だけにとどまっています。

そこで今回はその創業計画書の書き方を、具体的に解説します。

 

 

目次

1 創業計画書とは

2 項目ごとの具体的な書き方

2-1 創業の動機

2-2 経営者の略歴

2-3 取扱商品・サービス

2-4 取引先・取引関係等

2-5 従業員

2-6 お借入れの状況

2-7 必要な資金と調達方法

2-8 事業の見通し

3 まとめ

 

1 創業計画書とは

先にも触れましたが、創業計画書とは事業開始にあたり

・事業の理念、経営戦略

・事業を創業する場合において取り扱う商材やサービスについて

・資金計画や収支計画

・事業の見通し

などを明確にする文書です。事業を開始する際の羅針盤ともいえるでしょう。

したがって必ずしも、融資を受ける前提で作成する文書とは言えません。創業者本人のためにだけ作成することもあるでしょう。

 

しかし一般的に自己資金だけで創業するケースはまれで、大半の場合資金不足分を外部から調達しなければなりません。そうなると資金調達先に対し、新規事業の概要や見通し、資金計画などの理解を得る必要が出てきます。

そこで理解を得るための適当な資料として、創業計画書がクローズアップされるようになりました。

その結果現在では、創業計画書は創業時の不足資金を外部から調達する際に添付する資料として知られています。

とはいえ根底には創業時の羅針盤として、創業者自身のためにも作成すべき点に注意しましょう。

 

この記事では創業融資においてもっとも身近な日本政策金融公庫が作成している「創業計画書」を例にとり、具体的な書き方を項目ごとに解説していきます。

この創業計画書は、公庫のホームページより記入例とともにダウンロードが可能です。

他の制度融資(自治体のあっせんにより民間金融機関が信用保証協会の保証により融資する制度)、地方銀行や信用金庫等の民間金融機関の直接融資(プロパー融資)においても基本的な項目は同じです。

 

2 項目ごとの具体的な書き方

 

2-1 創業の動機

創業に至った動機や創業の目的を記入します。

担当者にわかりやすく伝えるため、箇条書きにしましょう。

動機や目的ときっかけは、分ける方がはっきりします。

 

(動機の具体例)

・専門学校で技術の基本を学んだ後、中規模店舗(従業員6名程度)勤務で経験を積む中で、自己の独創性を発揮するため独立を希望するようになった。

・ランディングページ制作会社に社員として8年勤務する中で基本的な制作知識・顧客との交渉手法を習得、制作物への高い評価を顧客から受けることが多くなり独立を意識するようになった。

(きっかけの具体例)

・勤務時代に給与収入から自己資金を蓄積してきたが、目標とする200万円を達成したことと自宅近くに開業に適した店舗を見つけたため、開業を決意した。

 

2-2 経営者の略歴

①年月欄

創業に至るまでの略歴を記入します。

学卒後の経歴で構いません。特に学校で学んだことが創業に関連するようなら記入しましょう。

勤務先だけでなく、勤務時の業務内容や役職、技能についても記入しましょう。

 

(具体例1)

H○○年〇月  専門学校卒業(専攻:Webエンジニア)

H○○年〇月~ 株式会社△△(ウェブサイト制作会社)8年勤務、

        担当業務(顧客の要望とエンジニアの制作調整)、

最終役職グループリーダー(メンバー6名

H○○年〇月~ ▲▲株式会社(ウェブサイト制作会社)へ転職、3年勤務

        担当業務(プロジェクトのとりまとめ)、

最終役職マネージャー(役員に相当、担当部の社員20名

労働基準法の基礎や人事評価手法、社員マネジメント法を習得

R○○年〇月  退職(退職金100万円)、創業予定

 

(具体例2)

H○○年〇月~大卒後株式会社○○(居酒屋チェーン運営会社)10年勤務

H○○年〇月~店長へ昇格

担当業務(店舗売上目標管理アルバイト人員管理、仕入在庫管理

H○○年〇月~エリアマネージャー昇格

担当業務(店舗指導、エリアの社員採用・人事評価に関与

R○○年〇月 退職(退職金80万円)、飲食店コンサルタント事業開業

 

②過去の事業経験

該当項目に印をつけます。正直に記入しましょう。公庫の調査と矛盾すると大きなマイナスになります。

 

③取得資格、知的財産権等

創業する事業に関係するものを記入します。

 

2-3 取扱商品・サービス

①取扱商品、サービスの内容

取り扱う商品やサービスの内容を記入します。とても重要な部分ですので、具体的かつ簡潔に記入しましょう。書ききれない場合は別紙を利用するのもいいでしょう。

(具体例)

・SNSを利用した飲食店用の顧客管理・販売促進ツールの販売・保守

(SNSで登録された顧客に定期的にイベント通知や割引クーポンを送信、来店の反応を分析しリピーター獲得につなげる販促計画の判断材料を提供、1ツールあたり販売価格100万円、保守料金1店舗当たり月10万円)

・海外雑貨の通信販売

(登録顧客に商品見本をネットで閲覧させ要望をまとめ、ある一定の数まで集まった段階で買い付け輸入、販売する)

 

②セールスポイント

他社にはない「売り」の部分について記入します。あくまで冷静に、客観的な文章で記入しましょう。夢を語るところではありません。

(具体例)

・イベント通知や割引クーポンを定期的に送信するだけでなく、来店反応と関連付けた結果までを提供することで、他社との差別化をはかると同時に顧客の売上アップに貢献することが可能。

・顧客の要望を確認してから買い付けに入るため不良在庫を抱える危険性を低くすることが可能であり、その分販売価格を引き下げることができ他社より優位に販売できる。

 

③販売ターゲット・販売戦略

売上を得る先と、売り上げを得るために立案した販売戦略を記入します。

ターゲットを明確に意識し、具体的な戦略を記入しましょう。

(具体例)

集客に苦しむ開業後1年~3年の一般飲食店をターゲットとし、他店舗のシステムの使用例により成果を示して販売先を拡大する。

 

④競合・市場など企業を取り巻く状況

競合状況、市場状況などを、業界外の者にも分かるように記入します。

(具体例)

・飲食店の競争は激しいことから飲食店の販促業者は多々存在しているが、グルメサイトと切り離した独自のシステムで提案する業者は少ない。

 

2-4 取引先・取引関係等

想定取引先や販売先、入金や支払い条件を記入します。

飲食店や美容院など販売先が一般個人であれば「一般個人」と記入し、仕入先に具体的な業者の目処がついていればその企業名を記入します。

現金売上や支払いであれば「即金」、掛売や掛払いであれば締日と受取日(支払日)を記入します。

(具体例)

販売先:東京23区内の飲食店、シェア100%、掛割合90%、前金10%で残り90%はシステム導入完了時即金

外注先:協力外注会社(元勤務先)、シェア100%、掛割合100%、システム納入後末〆翌月末払い

人件費の支払:10日〆当月25日払い

 

2-5 従業員

役員数や従業員数(創業後3か月以上継続して雇用するものも含みますを記入します)。

具体例は省略します。

 

2-6 お借入れの状況

創業者個人(法人の場合は代表者個人)の借り入れ状況を、事業資金に限らずすべて記入します。

申込人の同意を得て公庫は個人信用情報を参照しますので、漏らさないように記入しましょう。

具体例は省略します。

 

2-7 必要な資金と調達方法

大きくわけて①使い道ごとの内訳、見積先、金額、②調達の方法と金額を記入します。

 

①使い道ごとの内訳、見積先、金額

内装工事や事務所保証金、車両などの設備資金はその内訳と見積先、金額を記入します(添付する見積書と金額を一致させます)。

商品仕入れや人件費、事務所家賃などの運転資金はその内訳と金額を記入します。

 

②調達の方法と金額

調達の方法ごと(自己資金、親、兄弟、知人、友人等の借入、公庫からの借入、他の金融機関からの借入)に金額を記入します。

借入については返済方法も記入します。

(具体例)

自己資金:200万円

親等からの借入:親100万円、利息なしの月2万円×50回払い

公庫からの借入:300万円、元金6万円×50回払い(年2.25%)

他の金融機関からの借入:○○信用金庫、200万円、元金4万円×50回払い(年2.25%)

 

2-8 事業の見通し

①売上高、売上原価(仕入高)、経費(人件費、家賃、支払利息、その他、合計)、利益の月平均を創業当初と軌道に乗った後で記入します。

計算根拠から転記しますので、計算根拠と一致させましょう。

 

②上記項目の計算根拠を記入します。

「創業当初」と「1年後又は軌道に乗った後(〇年〇月頃)」の2通りの計算根拠を記入します。

この項目の記入内容の完成度が大きく融資判断を左右します。

詳しくは「創業計画書の説得力をアップする方法」で解説します。

 

3 まとめ

創業計画書と書き方について、記入項目ごとに解説しました。

創業計画書は創業融資を受けるにあたっての必要書類のひとつですが、自分の創業計画を客観的にとらえる絶好の機会でもあります。

融資を受けるためだけでなく、創業する事業が上手くいきそうかどうかを判断するためにも重要な資料といえます。

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